共働き夫婦、どのような住宅ローンがベスト?ペアローン?連帯保証?

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今は共働き夫婦が当たり前の時代ですよね。

内閣府男女共同参画局によると、夫婦共働き世帯の数が、男性は働き女性は専業主婦である世帯の数を上回るようになってから、10年が経過しました。

また、夫婦共働きの世帯は増加傾向にあり、女性が専業主婦の世帯は減少傾向にあります。これにしたがって、夫が借りることが一般的だった住宅ローンも、夫婦で収入を合わせて借りるという家庭が全体の約2割まで増加しました。

選択肢には、それぞれがローンを組む「ペアローン」「収入合算」して一人が契約を結ぶなどの方法があります。夫婦の収入を合わせることでより多くのお金を借りることが可能になり、希望する住宅を購入できるなどのメリットがあります。

ペアローンと収入合算をわかりやすく説明したのが次の通りです。

ペアローン:夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約し、収入に応じた金額を借り入れます。夫婦それぞれが個別に住宅ローンの契約をするため、2つの契約を結ぶことになります。

収入合算:夫婦の収入を合算して申請し、1つの契約を結びます。収入を合算して申請するため、借り入れ金額を増やすことができます。連帯保証型と連帯債務型があります。

夫婦双方に安定してまとまった収入があることが前提

ここで気をつけたいのが、夫婦で借りる場合は双方に安定してまとまった収入があることが前提ということです。共働き夫婦には大きく分けて2つのパターンがあります。

1. どちらかが、仕事や収入が不安定な職場や復帰が難しい職場に勤めている

例えば、夫は正社員で安定しているが妻はパートとして働いているといった、どちらかが契約社員や派遣社員、パートなど仕事や収入が不安定な職場に勤めている場合、後々収入が減ってしまうことも考えられます。

また、子育てや介護の後に復帰が難しい場合も、収入が減ってしまう時期があると予想できます。このような場合、現在の夫婦の収入を元にローンを借りるのは、返済が難しくなるリスクがあり危険です。

仕事が不安定な場合は、仕事・年収が安定しており所得の多い方が単独で借りることをおすすめします。

また、それでもペアローンや収入合算を利用する場合は、もしも共働きではなくなった場合でも支払えるような借り入れ金額に抑えるようにしましょう。

2. どちらも仕事・収入が安定しており、子育てや介護後の復帰もできる職場に勤めている

双方の仕事が安定している場合は、ペアローンや収入合算を利用し、夫婦2人の収入を見込んだ金額を借り入れても良いと言えます。

この場合でも、子育てや介護によって収入が減る可能性があることは考えておかなければいけません。また復帰も必ずしもうまくいって以前と同じような収入を得られるとは限らないので、返済がギリギリというくらいには借り入れないように注意が必要です。

では次は、ペアローンと収入合算の特徴について見ていきましょう。

『ペアローン』は共働き夫婦に最も有効

収入合算には、連帯保証型と連帯債務型があると先ほどお伝えしました。

どちらも収入を合算して申請して1人が契約を結ぶという点は同じですが、契約を結ばない方の契約上の位置付けが、「保証人」か「連帯債務者」かという点で異なります。

夫を主債務者として、簡単に表にまとめてみました。

ペアローン 連帯保証型 連帯債務型
夫の契約上の位置付け 夫 主債務者 夫 債務者 夫 主債務者
妻の契約上の位置付け 妻 主債務者 妻 連帯保証人 妻 連帯債務者
住宅ローン控除 夫◯ 妻◯ 夫◯ 妻✖️ 夫◯ 妻◯
団体信用生命保険 夫◯ 妻◯ 夫◯ 妻✖️ 夫◯ 妻✖️フラット35では妻も◯
住宅の所有権 夫◯ 妻◯ 夫◯ 妻✖️ 夫◯ 妻◯

なんだか分かりにくいですが、住宅ローン控除と団信の適用の点から見ても、ペアローンが一番良さそうということは分かりますね。

連帯債務型は、主債務者ではない方も連帯債務者として支払い責任は生じるものの、その分、住宅ローン控除がどちらにも適用されます。

しかし、もし主債務者ではない連帯債務者(上の場合は妻)が、万が一亡くなった場合、夫婦の収入の合計に基づいて借り入れ金額を決定しているにもかかわらず、団信は主債務者のみ適用されることになるので、住宅ローンの残高に変更はありません。残された主債務者は、自分の収入だけでは返済が厳しい金額を請求される可能性もあるのです。

そして、はっきり申しますと連帯保証型は全くメリットがありません

連帯保証人は連帯債務者よりも返済義務は少ないですが、主債務者の支払いが滞納した場合に、銀行から支払いを請求されるという点では同じなのです。

利用者の数も、ペアローン>連帯債務型>連帯保証型 となっています。

総合的に考えて、共働き夫婦には『ペアローン』が最もおすすめです。

もちろん、それぞれが契約を結ぶので、1つの契約のみ結ぶ場合よりも手数料や手間は必要となりますが、その分、住宅ローン控除はそれぞれに適用されます。

夫、妻それぞれの収入にもよりますが、住宅ローン控除を夫婦それぞれで利用した場合、2人分適用されれば10年間で100万円以上の所得税の節約になると思います。

ただし、このように住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けるのは、10年間共働きを続けた場合です。

途中で共働きではなくなった場合、初めから主債務者が単独で借りた方が恩恵を受けられる場合もありますので、途中で会社を辞めなければいけない時期がないか、長期的なライフプランをよく考えて決めましょう。

夫の単独名義も夫婦の共有名義も初期費用は同じ

初期費用における通常の住宅ローンとの違いは、登記に必要な印鑑証明や住民票の所得費用が2人分かかるかどうかのみです。登記費用は司法書士によってまちまちですが、単独名義か共有名義かの理由で登記費用が大幅に変わることはなく、登録免許税も不動産の価額が課税基準になるので、名義は関係ありません。

無理に夫単独の名義にすると後々贈与税の課税対象になる可能性もあります。まずは、今後のご夫婦での返済割合等も考慮して、ご購入時の頭金や持分の割合に関してはしっかり話し合うことが大切です。

ペアローンにも落とし穴…?

実際、双方が安定してまとまった収入のある共働き夫婦が多く利用しているペアローンですが、もちろん気をつけなければいけないことがあります。それは、それぞれが個別にローンを借りるため、団信はそれぞれが借りたローンにしか適用されないということです。

例えば、夫が2500万、妻が2000万のローンを借りているとすると、万が一、夫が亡くなった場合、夫の分は支払いが免除されローン残高は無くなりますが、妻は引き続き2000万円のローンを支払い続けなければいけません。

もともと、自身の収入に基づいて借り入れ金額を決定しているため、収入以上の支払い金額を背負う可能性は低いですが、教育費などを払いながらの支払いは大変ですし、やはり精神的にも負担になります。

そこで、このようなペアローンのデメリットを補う団信が「夫婦連生団信」です。夫婦のいずれかが死亡してもどちらの団信も適用され、住宅のローンの残高がゼロになるというものです。名称は取り扱い金融機関で異なりますが、0.1%~0.2%程度金利を上乗せすることで特約が付けられます。

このような住宅ローンを選択しないという場合でも、生命保険などでリスクは対策しておく必要があると思います。

まとめ

双方に安定してまとまった収入がある共働き夫婦には、ペアローンがおすすめです。しかし、借り入れ可能額が大きくなるので、住宅ローンを借りすぎてしまうかもしれません。

また、長い将来何があるかはわかりませんから、子育てや介護で収入が現在より大幅に減ってしまうこともあるかもしれません。ペアローンの場合、収入が減った妻のローンを夫が負担すると、贈与があったと指摘されることもあります。そうなると贈与税がかかる可能性があるのでくれぐれも借り過ぎにならないよう注意しましょう。

ペアローンを利用するときも単独でローンを借りるときも、返済が苦しくならないように、あらかじめきちんとした返済計画を持っておくことが大切です。

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