「この会社潰れるな……」オフィス用品納入業者が教える、倒産間近の会社の見分け方

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2018年1月、成人の日を目前に大きく報道された「はれのひ」騒動をおぼえていますか? 振り袖の販売・レンタル事業を手がける会社が、成人式直前に大部分の店舗で業務を停止し、新成人の門出を台無しにした事件でした。報道によると、業務停止の1年近く前から経営に行き詰まっていたといいます。
企業の経営状態などの調査を手がける東京商工リサーチによると、2018年1月の倒産件数は、3ヶ月ぶりに前年同月を上回りました

収入を会社に頼るサラリーマンとしては、潰れる会社特有の“予兆”や“シグナル”をいち早くキャッチして、即座に逃げ出したいところです。

そこで今回、オフィス用品のリース・レンタル・保守・販売を手がける企業のマネージャーであり、数々の会社に出入りする小原圭氏(30代・仮名)から、潰れそうな会社のオフィスが発する「倒産間近のシグナル」について聞きました。

シグナルその1.ウォーターサーバーや観葉植物のレンタルが打ち切られる

小原氏によると、経営状態の悪い企業のオフィスから真っ先に消えるのはウォーターサーバーや観葉植物だといいます。

「観葉植物などは、ほとんどが“レンタル契約”でオフィスに置かれています。パソコンやコピー機などのOA機器で適用される“リース契約”は、基本的に期間中の解約ができず、どうしても解約したいという場合は高額の違約金が発生します。それに比べ、レンタル契約の解約には、あまりおカネがかかりません。資金繰りが苦しい会社はリースの違約金を払うのも苦しいでしょうから、まずは、おカネのかからないレンタル品、とくに会社の売上に貢献しない観葉植物などを、経費削減のため真っ先に切るんでしょう」

たしかにウォーターサーバーも観葉植物も、会社の売上に直接貢献しません。とはいえ、働きやすい職場環境をつくるうえで果たす役割は決して小さくはないと思うのですが……。もはや、社員のことなど構っていられないといったところでしょうか。

ちなみに、自社で購入した観葉植物を枯れたまま放置しているのも、潰れる会社の特徴だそうです。

シグナル2.電池の購入頻度が増える

ところが、潰れそうな会社がムダな経費を徹底的に削ろうと努力するかといえば、意外にもそうではないようです。

「レンタル契約を打ち切りはじめたり、あるいは高額な違約金を支払ってリース契約を解約するような会社でも、全ての経費を精査して節約しているかというと、そんなことはありません。むしろ、末期的な会社になるほど、消耗品の発注が増えたりします。とくに乾電池や蛍光ペンなど、小型の消耗品は注文頻度が増えることもあります」

いったいどういうことでしょうか。この原因を尋ねてみたところ、あくまで推測ですが、と断ったうえで小原氏が挙げたのが、社員のモラル低下による備品の持ち出しです。

「コピー用紙やティッシュ、トイレットペーパーなど、いかにもかさばりそうなモノや単価が安いモノの納品が増えるというのは聞かないですからね。乾電池は家庭でも日常的に利用できるし、自分で買うとなると、意外に値が張る。そしてなにより、小型なので持ち出しているところを見つかりにくいと考えるんじゃないでしょうか。ペンも同じことでしょう」

潰れゆく会社の劣悪な環境で働くことを余儀なくされると、社員のモラルも次第に崩壊するのかもしれません。資金繰りが厳しいのに備品購入のチェックがずさんな会社なんて、いかにも潰れそうです。

モラル崩壊社員に狙われやすい小型の消耗品のなかにも人気の品と不人気の品があり、クリップやのりは、あまり持ち出されていないのではないかという話も。たしかに、クリップって一般の家庭ではあまり使わないような気がする……。

シグナル3.コピー機のガラス板は割れ、パソコンがボコボコに


社員のモラル低下に関連するかもしれない、と小原氏が教えてくれたもう一つの傾向が、リース品のパソコンやコピー機の故障・破損の多発です。

「故障・破損が増えるのは、潰れる会社特有の顕著な傾向です。たとえば、営業さんが使うノートパソコンなどは、いくら外出先で使うとはいえ、通常の利用でこんなにボコボコにならないだろう、と思うほどヒドい状態で返却されたりします。さらには紛失件数も激増します」

個人情報の厳格な管理が求められる昨今、顧客情報の入ったパソコンの紛失が多発するような会社がマトモではないというのは、たしかに頷けますね。

「なぜかコピー機の保守の依頼も増えます。トナーの納品や動作の点検という一般的なレベルの話ではなく、コピー原本を載せるためのガラス板が割れるといった、一体なんでそうなるんだ? という故障が多発します」

ある時期、ガラス板が割れる故障があまりに多発したため、小原氏がいろいろと調べたところ、意外な原因が判明したといいます。

「コピー機に座って、ケツのコピーを取って遊んだりする人がいるらしいです」

マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』では、主人公・両津勘吉が自分の全裸をコピーして遊ぶシーンが出てきましたが、現実世界でそんなことをする会社員がいるとは……。まさかと思い筆者も調べたところ、次のような記事を発見しました。

参考記事:コピー修理担当者の告白–悪ふざけもほどほどに

そんな会社、潰れるハズです。

シグナル4. 監視カメラが増え、卓上パーテーションが取り外される

小原氏の会社のビジネスと直接の関係はないものの、さまざまオフィスを訪問するなかで見つけた“シグナル”もあるようです。

「結果的に潰れた会社で何度か見かけたのが、オフィス内の監視カメラが増えるという現象です。それも、オフィスの出入口から外に向かって設置しているのではなく、オフィス内を撮影している。社員の動きを監視しているわけです。ある会社では、3カ月ほどの間に、一気に4台くらい増えていました。30人くらいの会社だから、たいして広いオフィスでもないんですが、あらゆる角度から撮影していて、気の毒な社員たちだ、と思ったものです」

個人の業務スペースを区切るための卓上のパーテーションを撤去するというパターンも、複数の会社で目撃したといいます。

「要は、経営陣が社員を信頼できなくなっているんでしょう。疑心暗鬼というか。監視カメラの増設もパーテーションの撤去も、社員を見張りやすくするためなんじゃないでしょうか。パーテーションがあると、社員が手元で何をやっているか確認しづらいですからね」

社員のモラル低下が経営陣の社員不信の原因なのか、それとも、経営陣の社員に対する不信感が働く人のモチベーションやモラルの低下を招くのか。ニワトリと卵の関係のようですが、いずれにしろ、潰れる会社には社員と経営陣の相互不信という構図がありそうです。

まとめ

皆さんの会社のオフィスは“シグナル”を発していたでしょうか。

これらのシグナルはあくまで小原氏の見解にもとづくものですが、もし思い当たるフシがあるのなら、泥舟が沈みはじめる前に、一刻もはやく脱出するのが賢い選択かもしれませんよ。

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