「何歳からがベスト?」「成果報酬制?それとも定額制?」子どものおこづかいの気になるあれこれをFPに聞いてみた

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「おこづかいって何歳くらいから始めたらいいの?」「お手伝いしたらおこづかいを渡すというやり方は、教育上どうなんだろう?」「金額はどのくらいが適正なの?」などなど、子どものおこづかいについて頭を悩ませているパパ・ママも多いのでは?

そこで、幼児~大学生まで児童・生徒向け、親子向けのマネー教育・キャリア教育・消費者教育の講座を多数実施している「キッズ・マネー・ステーション」主宰のファイナンシャルプランナー八木さんに、気になる子どものおこづかいについて教えていただきました。

おこづかいを始めるのは「小学校低学年」がおすすめ!

八木さ〜ん!ウチもそろそろお小遣いをあげてもいいかなと思っているんですけど、そもそもどんなタイミングでおこづかい制度を導入すべきなんでしょうか?
八木さん
おこづかいは、小学校低学年が始めどきです。子ども自身が買いたいものも出てくるころですし、お金の役割についても理解しつつあります。
まだ反抗期前なので、親子の会話も十分あり、親の考えも比較的素直に聞いてくれます。
八木さん
『うちはゲームは買わないけれど、その代わり本への投資は惜しまないよ』とか、『将来、あなたが好きな道を選べるようにしたいから、そのためのお金をしっかり貯めていくよ』など、おうちのお金に対する考え方や価値観をシェアしながら、“おこづかい育”をスタートさせましょう。

子どもだけで出かける機会も増えてくる小学校中〜高学年以降になると、お金のトラブルや悩みもチラホラ聞こえてきます。そういった問題を回避するためにも、低学年からの“おこづかい育”が重要なんだとか。

八木さん
小学校低学年からおこづかいを通してお金の重みや使い方、ルールについて学んでおくと、判断力もついているので大きなトラブルを回避できます。
現在は電子マネー(Suica、nanacoなど)や、スマートフォン決済など、キャッシュレス化が進んいます。
そういえば、コンビニでも電子マネーで決済している人は増えていますね。
八木さん
お金がどんどん“見えない存在”となっていき、その重みや価値に鈍感になりがち。
小さいうちにおこづかいを現金でもらって、自分で管理することは、お金の重みや価値を知るための絶好のチャンスなんです。
なるほど〜。
たしかに、小さい時からお金の大事さを伝えておいたほうが、お金のトラブルに巻き込まれるリスクが減りそうですね!

おこづかいの渡し方は「成果報酬制」or「定額制」どっちがいいの?

では、具体的にはどのようにおこづかいを渡すのが良いのでしょう。

例えば「○○のお手伝いをしたら100円」といった成果報酬制でおこづかいを渡している家庭も多いはず。でも、「おこづかいをもらえないお手伝いはやりたがらない」「お手伝いするたびにお金を要求してくる」などのデメリットも。

逆に「毎月500円」といった定額制には、何もしなくても自動的におこづかいがもらえるので、お金の重みが伝わりづらいというデメリットがありますよね。

八木さん
おこづかいの渡し方は、成果報酬制でも、定額制でも、その2つを合わせたMIX制でもどれでもOK。大切なのは、子どもの性格を見極めて、その子に合った渡し方を選ぶことです。

成果報酬制に向いているのはこんなお子さん

お手伝いが身についていない、言ってもなかなか動かないようなタイプには、「家族の一員として家のことをするのは当たり前」という概念を伝えるためにも、成果報酬制がおすすめです。

お手伝いは、自分のためのことではなく、家族のため、人のためになることを設定するのがポイント。「自分がしたお手伝いで誰かが喜んでくれるのが嬉しい」と感じたり、「お金を稼ぐ大変さ」を実感できます。

定額制に向いているのはこんなお子さん

お手伝いが大好き!お手伝いがしたくてたまらない!というようなタイプは、わざわざお手伝いとおこづかいをリンクさせる必要はないので、定額制で始めてみましょう。定額制はお金の計画を立てやすいのがメリット。

ただし、「お金は何もしなくても勝手に入ってくる」ものではありません。そう勘違いさせないためにも、おこづかいを始めるときに「お金はどうやって手に入るのか」「お金への感謝の気持ち」について、しっかりと話しておくことを忘れないようにしましょう。

固定給(定額制)+歩合給(成果報酬制)のMIX制はいいとこ取り!

定額制と成果報酬制のそれぞれのメリットをいいとこ取りできるMIX制を取り入れるのも手です。子どものやる気を引き出しやすく、「お金は労働の対価である」という概念も伝えやすいので、どんなタイプのお子さんにも適しています。

親子で「おこづかい契約書」を作ってみよう!

お金の重みを理解してもらうためにも、おこづかいを楽しく始めるためにも、八木さんがおすすめしているのが親子で作る「おこづかい契約書」です。

八木さん
契約書を作ることで、親子でおこづかいについてしっかり話し合って決められます。よりお金の重みも感じられますし、子どももやる気になりますよ!
契約書なんて響きがかっこよくて、子どもも「大人になった」と言ってやる気がでそう!

「おこづかい契約書」を作ってみよう!

1.「おこづかいの中から自分で買うもの」を話し合いましょう。

例えば、
・学校で使う鉛筆やノートは、自分で買うもの
・子どもにとっては高額になる衣服代は、親が買うもの
など、家庭ごとにルールを考えて決めていきます。子ども本人が支払う必要なものを決めると、自然とおこづかいの金額が見えてきます。

2.「おこづかいの内訳」について話し合い、金額を決めましょう。

ただ単純におこづかいの金額を決めるのではなく、お金の使い道には種類があることも教えます。

おこづかいには、大きく分けて以下の3つの種類があります。
・自分が使うお金(例えば、おもちゃや文房具など、自分が欲しいもの、自分が必要なもの)
・人のためのお金(例えば、父の日のプレゼント代、お友達へのプレゼント代、ユニセフに募金するお金など)
・いざという時のお金(=貯金。欲しいものを買うために毎月貯めていく金額など)
それぞれひと月(もしくは毎週)いくらぐらい必要かを考えます。どの割合が多いかは、その子次第でOK。ちなみに女の子はプレゼントをあげたり、もらったりが多いため、「人のためのお金」の割合が高い傾向にあるとか。
3つの金額を合わせた合計が、その子のおこづかいの金額になります。

3.「おこづかいの日」を決めましょう。

月単位でも週単位でもOKです。「おこづかいを渡すとすぐに使ってしまう」「一度に大きな金額を渡すのはまだ心配」という場合は、週単位で渡す方法をとっても良いでしょう。

4.「お手伝い」について話し合いましょう。

おこづかいを通して「お金は労働の対価である」という概念を伝えることが重要です。成果報酬制、定額制、その二つのMIX制のいずれの渡し方をする場合も、
・「お金は何もしなくても勝手に入ってくるものではない」ことを理解させること
・「家族の一員として家のことをするのは当たり前」であることを理解させること
を目的に、お手伝いについても話し合っておきましょう。

5.おこづかいの「お約束 報告の仕方」について話し合いましょう。

例えば、「おこづかい帳をつける」「お金は箱に入れて管理する」など、お小遣いをどう管理して、その結果をどう報告するかについて、子どもがやりやすい方法を親子で決めましょう。

他にも「おじいちゃん・おばあちゃんからお小遣いをもらったら貯金する」「お小遣いで買ってはいけないもの」「お小遣いでお友達におごったり、おごられたりしない」など、おこづかいの約束・ルールを考えておくといいですね。

なお、契約書は、年に1回程度、は子どもの成長に合わせて更新しましょう。進学・進級のタイミングで見直すのもいいかもしれません。

子どもはおこづかいを通して学び、成長できる!


おこづかいをスタートさせた直後は、例えば「必要ないものまで買ってしまう」、「ドケチになってしまった」など、思わぬ反応や、失敗もあるでしょう。でも、親が先回りして「それは必要ないんじゃない?」と判断するのではなく、たくさん失敗しながらでいいので、子どもの判断と責任でおこづかいを使うようにしましょう。

おこづかいを通して、以下のようなことを学ぶことができます。

おこづかいで学べること

判断力がつく

自分のおこづかいを、自分の判断で使うようになるので、判断力が磨かれます。たくさん失敗をしながら、必要なものを適正価格で買えるようになっていきます。

上限があることで、発想力が鍛えられる

おこづかいの金額が決まっていることで、優先順位をつけてお金が使えるようになります。お金が足りなくて欲しいものが買えない場合でも、我慢する力がついたり、家にあるもので代用品を作ってみるなど、発想力もUPします。

ものを大事に使うようになる

自分のお金で買うようになることから、「ものをすぐに無くしていた子が無くさなくなった」「鉛筆やノートを最後まで使いきるようになった」など、ものへの愛着心が増し、ものを大事に扱う心が育ちます。

ものを見る目が養われる

お小遣いで買い物を繰り返していくうち、商品の価値を考えたり、ものを買うときに類似品を探して比較検討するようになり、ものを見る目も養われていきます。

さいごに

私たちを取り巻く金融環境は常に変化しています。そういう環境にあるからこそ、お子さんに早いうちから金銭感覚を身につけさせることが大事。ぜひ親子で話し合いながら、一緒におこづかいを通してお金のセンスを身につけていきましょう!

取材協力
ファイナンシャルプランナー 八木陽子さん
キッズ・マネー・ステーション代表。キッズ・マネー・ステーション
東京都杉並区在住。夫、息子(高2)、娘(小3)の4人暮らし。一級ファイナンシャルプランナー技能士、CFP®キャリアカウンセラー(CDA)、キャリアコンサルタント。出版社勤務をへて独立。2001年にファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。現在までに延べ1000件以上のマネー相談を行う。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2017年には文部科学省検定の家庭科の教科書に「ファイナンシャルプランナー」として掲載される。著書に「6歳からのお金入門」など。

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