親子ローンで収入合算。資金が足りない場合に使える制度の注意点

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二世帯住宅を取得するときなどに多く用いられる「親子ローン」。親世帯が高齢の場合は、いくらストック資産を保有していても、融資条件が不利になったり、そもそも融資が下りない場合もありえます。子世帯との「収入合算」で、全体として融資申請を有利に進めることもできますが、常に適用できるわけでもありません。親子ローンのメリットや注意点について解説しています。

親子ローンとは

親子ローンとは、文字通り、住宅ローンやリフォームローンを親子で協力して組む場合の総称をいいます。

住宅の購入やリフォームは、数百万~数千万円単位の大きな買い物。だからこそ、毎月の収入から返済を負担できる人ができるだけ多い方がいいですし、その間柄が身内で信頼できる関係性であれば、互いに協力し合うことで、一人あたりの返済負担が軽くなると考えられます。

親子ローンは多くの場合、実家の新築や増改築、あるいは二世帯住宅の購入、バリアフリー目的のリフォームなどを行う際に用いられます。

親子ローンには、2種類(+α)がある

親子ローンは、返済の協力方法によって、「ペアローン」と「リレーローン」とに分けることができます。

親子ペアローン

親子ペアローンは、親世帯と子世帯で、住宅ローンなどを2本組むことをいいます。両世帯で、同時期に金融機関とのローン契約を締結し、同時並行でローンを返済していきます。

法的には、2本のローンについて、親世帯と子世帯がそれぞれで債務を負い、さらに、お互いの世帯の債務がそれぞれ連帯保証し合う関係となります。

同じ目的のために、別々のローン契約を結ぶわけなので、それぞれ別個の審査が行われ、団体信用生命保険(団信)もそれぞれで加入します。

審査の結果いかんによっては、片方の世帯がローンを組めなかったり、融資額が減額されたり、返済期間が短縮されて月々の返済額が高額になったり、団信の加入を断られたりすることがありえます。つまり、当初の計画通りにペアローンを組めないケースもありえますので、あらかじめ注意が必要です。

親子リレーローン

一方で、親子リレーローンは、親世帯から子世帯へと受け渡すようなかたちで、1本の住宅ローンを組むことをいいます。

まずは親世帯がローンを返済します。ただし、退職や障害などの理由で十分な収入が断たれ、返済能力を失ってしまった場合に、ローンの返済義務を子世帯が引き継ぐことになります。

リレーローンであれば、親世帯の融資条件の不利を子世帯がカバーできます。住宅ローンは通常、満80歳までに完済することが基準とされていますので、親世帯の返済者が契約時に60歳であれば、返済期間が20年以下で設定されてしまいます。しかし、リレーローンであれば、親世帯が80歳に達した時点でも子世帯に収入があれば、完済を義務づけられることはありません。

死亡や深刻な身体障害などがあり、返済不能になった場合には、ローン残債をすべて保障する団信は、子世帯のみが加入します。親世帯の主債務者に死亡や深刻な身体障害などの事情が生じたならば、子世帯がローンを引き継ぐことが前提の契約だからです。

親世帯と子世帯の収入を合算する方法

「ペアローン」「リレーローン」のほかに、親世帯と子世帯で1本の住宅ローンを担い合い、連帯債務を組むこともありえます。この場合は、親世帯と子世帯で「収入合算」できる可能性ができます。収入合算は、親子2世帯で1つのローンを組む場合に、親世帯と子世帯の年収額の総計を基準にして、融資を申請する方法です。

連帯債務者と連帯保証人は、自らの返済負担によって、他の債務者がローンの一部ないし全部を免れたり、後で立て替え払いの精算義務(求償)を負うなどの効果がある点では共通しています。しかし、保証人は自らが主な返済者ではなく、あくまで主債務者による返済が危ぶまれるときのサポートやバックアップに徹する特徴があります。

親子ローンで「収入合算」するとは


収入合算は、親子片方の世帯だけの収入では十分な融資がおりない場合に、親子両世帯が協力し合うことで、1つの住宅ローンに関する融資の実現を目指す方法です。

たとえば、親世帯が年収300万円、子世帯が年収700万円であれば、親世帯の返済能力が不足していると判断されて融資審査に落ち、ペアローンを実現できないリスクがあります。

この場合は、親世帯と子世帯の収入を合算し、「年収1000万円」として1本のローンを申請したほうが、ペアローンを申請する場合よりも、大きな融資額がおりる可能性もあります。

親子ローンで収入合算できる条件とは

親子ローンにおける収入合算が認められる条件としては、一般に「直系親族(血族)であること」「親子が同居する予定があること」が挙げられます。

ちなみに「フラット35」では、「申込み時の年齢が70歳未満」「お互いに連帯債務者となること」が収入合算の条件に加わります。

一方で、民間の金融機関では、親子ローンで収入合算が可能となるための条件は多様ですが、フラット35と異なり、基本的に親世代の年齢に条件が設けられないことがほとんどです。

どちらかの世代がパートやアルバイトでも収入全額の合算が可能な例(京都銀行や池田泉州銀行など)もありますので、親子ローンを検討しやすいといえます。

なお、親子リレーローンの場合は、親世帯と子世帯で返済時期が別となりますので、収入合算は通常想定されません。

まとめ

血縁の絆による信頼関係を築いている肉親同士で、協力し合いながら不動産を取得する「親子ローン」には、単独でローンを組むよりも有利な点があるのは確かです。長丁場となるローン返済生活において、収入合算を適用することができれば、さらに返済負担が軽くなるでしょう。
しかし、団信の加入を断られたりなど、いくつかの注意点もありますので、親子で十分に話し合って、返済計画をしっかりと立てるようにしましょう。

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