住宅取得資金の贈与を受けた際の住宅ローン。使える非課税制度は?

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親・祖父母からの贈与は一定額まで非課税になる!

親や祖父母を含め、人から財産をもらうと、通常は「贈与税」がかかります。ところが「住宅取得等資金贈与の非課税」という制度を利用すれば、住宅の購入や新築、増改築などの契約を締結し、住宅取得を目的とした資金を親や祖父母からもらう場合に限り、条件に沿って一定額まで贈与税がかかりません。

住宅資金贈与の非課税枠に定められているのは、消費税8%の物件であれば最大1200万円まで。注意すべきポイントは、消費税率や契約時期によって非課税枠が異なってくるということです。

住宅取得等資金贈与の非課税が適用される条件は、以下の通りです。

・贈与を受けた年の翌年3月15日までに、購入・新築・増改築などを行った物件の残金決済と引き渡しを行い、住宅を所有する。
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅に居住する。または、入居することが確実に見込まれる状態にする。
・住宅の登記簿面積(床面積)が50平米以上240平米以下である。
・中古住宅の場合、以下の3つのいずれかを満たしている。
 ①マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内である。
 ②一定の耐震基準を満たすことが建築士等によって証明された住宅である。
 ③購入後に耐震改修工事を実施し、贈与を受けた年の翌年3月15日までに建築士などが一定の耐震基準に適合すると証明した住宅である。
・親(祖父母)から贈与を受けた年の子(孫)の合計所得金額が2000万円以下である。
・親(祖父母)から贈与を受けた年の子(孫)の年齢が1月1日時点で20歳以上である。
・贈与を受けた子(孫)から見て、贈与を行う親(祖父母)は直系尊属である。

なお、住宅取得等資金贈与の非課税制度を利用する際は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の期間内に、税務署に贈与税の申告を行う必要がありますので、注意しましょう。

相続時精算課税制度も併用可能

親や祖父母から贈与を受けた翌年3月15日までに行う贈与税の申告では、「相続時精算課税」を選択することができます。相続時精算課税とは、60歳以上の親または祖父母からの贈与であれば、贈与した人が亡くなったとき、生前贈与を受けた金額を相続財産に加えて、相続税で精算する制度です。

相続時精算課税を選択すると、暦年課税の基礎控除は適用されなくなりますが、贈与額の合計が2500万円までであれば贈与税がかからない特別控除額の利用ができます。この制度は、住宅取得等資金の非課税制度と併用ができることもポイントです。

相続時精算課税が適用される条件は、以下の通りです。

・贈与を行う親や祖父母の年齢が60歳以上である。
・贈与を受ける子(孫)の年齢が20歳以上である。
・贈与を受ける子(孫)は贈与を行う親や祖父母の推定相続人である。
・累計贈与額が2500万円以下である。

なお、相続時精算課税制度を利用する際の注意点は、以下の通りです。

・2500万円の特別控除額分は相続財産に加算されるため、相続時に相続税として精算される。
・相続時精算課税を選択すると、対象となる親(祖父母)からの贈与は暦年課税に戻すことができなくなる。

贈与を受けたときの住宅ローン控除は?


贈与を受けた際、住宅ローン控除はどうなるのでしょうか。

住宅ローン借入額+住宅取得資金の贈与額が住宅購入価額以下の場合

住宅ローン借入額、もしくは住宅購入価額から贈与額を差し引いた金額のいずれか低い金額が、住宅ローン控除の対象になります。そのため、住宅ローン借入額が全額控除の対象となり、贈与による影響はありません。

住宅ローン借入額+住宅取得資金の贈与額が住宅購入価格を超えた場合

購入額を超過した金額は住宅ローン控除の対象から外れます。住宅ローン控除は、居住用家屋を取得するためのローンに対して設定された優遇税制だからです。

また、住宅ローン借入額+住宅取得資金の贈与額が住宅購入価格を超えるケースは、ある程度の高額贈与となることが多く、贈与税が関わる可能性が高くなります。その場合は、住宅取得等資金贈与の非課税制度や、住宅取得等資金の非課税制度を上手に活用し、贈与税の節税を行うとよいでしょう。

まとめ

今回ご紹介したように、住宅取得等資金贈与の非課税制度、相続時精算課税制度を利用することで、住宅取得における贈与に関する節税ができます。制度を利用しないと、住宅ローンや相続税、贈与税など、あらゆることで控除が受けられなくなってしまいます。利用条件や注意点を確認しながら、こうした制度を積極的に利用するようにしましょう。

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