住宅ローンを親子2代で返済するには。親子ローンについて徹底解説

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住宅ローンを借りる方法にはいくつかあります。ひとつは自分ひとりで借りる方法。もうひとつは、配偶者にも収入があるならば夫婦で収入合算やペアローンでそれぞれが借りる方法です。それだけでなく、親子で協力して借りるという方法もあります。今回は親子で協力して借りる方法を解説します。

そもそも親子で借りるとは?

住宅ローンを夫婦で借りる場合にはふたりの収入を合わせて、ひとつの住宅ローンを申し込む「収入合算」という方法と、それぞれが債務者となってそれぞれが住宅ローンを申し込む「ペアローン」があります。これと同じことを親子でやることもできるのです。

ただ、一般的に、住宅ローンは最終完済年齢が80歳になるまでとしている金融機関がほとんどです。長期で借りようとする場合、親子でひとつの住宅ローンを借りるには親の年齢がネックになり、返済期間が制限されます。

しかし、「ペアローン」なら、親は現在の親の年齢から80歳になるまで、子どもは子どもの年齢から80歳になるまでの最長35年間で借りることも可能です。

「ペアローン」とはひとつの物件に対して親子でそれぞれ別々にローンを借りる方法です。必然的に親の年齢からは長い期間で借入をすることは難しいかもしれませんが、無理のない範囲で借りることができます。

親子で借りる場合には、もうひとつ「親子リレーローン」という方法もあります。詳細は後述しますが、いずれにせよ親子で借りるメリットは子どもや親が単独では審査が厳しい場合でも住宅ローン審査で承認される可能性を高めることができる方法です。

親子ローンのメリットをまとめると、親単独、子ども単独では融資の審査上、厳しい内容でも融資承認が得られる可能性が高まります。つまり単独で借りるよりも借入可能額が増やせるということです。

親子ローンにもリレーローンとペアローンがある

親子ローンには「ペアローン」と「リレーローン」があります。

ペアローン

「ペアローン」とは親と子どもでそれぞれが借入をする方法です。親もひとつの住宅ローン、子どももひとつの住宅ローンを借りるので、ひとつの物件に対してふたつの住宅ローンを借りる形になります。例えば親が1000万円、子どもが2000万円で合計3000万円を借りるような方法です。その際は、お互いにそれぞれのローンの連帯保証人も務める形で申込をすることが主流です。

注意すべき点は「それぞれが別の銀行で借りることはできない」という点です。親は昔から付き合いのある信用金庫で借り、子どもはネット銀行で借りるようなことはできず、同じ銀行でそれぞれが借りなければペアローンはできません。

親子ペアローンは夫婦ペアローンと同様にそれぞれの借入金額が明確になりますので、それぞれが無理のない返済額で借入をするという調整もしやすいのもメリットです。

【親子ペアローンを扱う主な金融機関】
じぶん銀行
住信SBIネット銀行
ソニー銀行
三井住友信託銀行
新生銀行

親子リレーローン

もうひとつの方法の「親子リレーローン」は、親があらかじめ子どもに債務を引き継いでいく前提で借入をする方法です。ペアローンは親子で別々に借りていますが、親子リレーローンはまず親が借りて、将来、子どもが返済を引き継いでいきます。

もちろん、子どもが知らないうちに親子リレーローンを借りているということはありません。親が借りる際には子どもも審査の対象となります。つまり親の収入が高くても、子どもが無収入では基本的には親子リレーローンは成立しません。

ペアローンの場合はそれぞれのローンを各自が責任を持って返済をしていくイメージですが、親子リレー返済は親子が共同で返済をしていくイメージです。

【親子リレーローンを扱う主な金融機関】
フラット35
りそな銀行
楽天銀行
じぶん銀行
その他 地銀、信用金庫でも取り扱いあり

親子ローンを利用できる条件

親子ローンを利用するには、次のような要件をクリアする必要があります。

リレーローンの場合

 ・同居しているもしくは将来同居予定
 ・子どもの年齢が20歳以上で、完済時に80歳未満であること
 ・子どもが団体信用生命保険(団信)に加入すること
 ・親子ともに安定した収入があること
 ・親子ともに住宅ローンに関する審査に問題がないこと
 ・リレーする子どもはひとりのみ

ペアローンの場合

 ・双方が団信に加入する
 ・親は子どもの、子どもは親の住宅ローンの連帯保証人になること

親子ローンを検討しても良いケースは?

前述の通り、リレーローンであってもペアローンであっても、要件をクリアしなければ親子で住宅ローンを借りることはできません。親子ローンを検討しても良いケースは、下記のような場合になるでしょう。

・親子が同居するための家を購入(建築)する場合
・親が高齢で単独では住宅ローンの借り入れが難しい場合
・親は十分収入があるが子どもの収入だけでは希望する金額を借りられない場合

大前提として「親子が同居すること」が必須になります。ここでいう同居とは、二世帯住宅を建築して住むことも含まれます。必ずしも食事も共にしている同居だけではなく、同じ屋根の下で親世帯と子世帯がそれぞれの生活を営んでいるということでも大丈夫です。

親子ローンを利用する前に知っておいた方が良いこと

親子ローンに限ったことではありませんが、完済するまでは新たな住宅ローンは借りられません。特にリレーローンの場合、子どもが実際にはローンの返済をしていないという時期も存在することがありますが、それでも他に住宅ローンを借りることは原則できません。

また、親子ローンで借りた住宅ローンを別の金融機関で借り換えることも簡単ではありません。そもそもリレーローン自体が珍しい形態であり、借りた時点での親の年齢によっては、借換えを検討するときには親は年金しか収入がないということも考えらえます。借り換え時点では収入面で審査を突破する要件を満たせていない可能性も高まります。

団信についても、金融機関ごとに親子それぞれに1/2ずつ加入を求めるケースもあれば、子どもを必須にするケースもあります。逆にフラット35の親子リレーローンの場合、団信は親か子どものいずれにしか加入ができません。親の返済義務は80歳になるまでですので、団信に親が加入した場合、もし80歳になるまでに亡くなるとその時点でローンの残高はなくなります。もし健在のまま80歳を過ぎると、今度は子どもが団信に加入して返済をつづけることになります。

金融機関によっても対応の仕方が違いますので、事前に良く検討をして選択をする必要があります。

最後に

空き家になっている実家が社会問題化していますが、親子でローンを借りて同居する家を持つということは空き家を増やさないことにもつながります。核家族化して久しい日本ですが、親子が一緒に住むということを後押ししてくれるのが親子ローンの存在かもしれません。

ペアローンとリレーローンそして今回は触れていませんが、普通に親子で収入合算をして親が子どもの借入を助けるというケースも二世帯住宅の建築の場面では珍しくはありません。

皆さんにとってどの手段にメリットがあるのか、家族の将来を踏まえながら検討してみるとよいでしょう。

佐藤 陽
FPオフィスケルン 代表 http://fp-cairn.com/
ハウスメーカー出身のファイナンシャルプランナーとしてマイホーム購入に関する相談やサポートを中心に展開している。しっかりと家づくりをサポートしたいという想いを持つ工務店や設計事務所などとのコラボも多く、お金と不動産に詳しいFPとして活動する。

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