小遣い減は避けたいが…子どもの教育資金や老後のお金、足りない分はどう増やす?

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「子どもたちの教育資金や老後のお金は、できるだけ貯めたい」

そう思っていても、奥さんとお金の話をすると「あなたのお小遣いを減らすしかないわね」と言われそうで、知らんぷりしている方も多いのではないでしょうか。

実は、お小遣いを減らすこともなく、効率的に必要な資金を貯めていく方法があるんです。その方法を、ファイナンシャルプランナーの鬼塚祐一さんに教えていただきました。

今あるお金を活用して、もっと効率よく必要な資金を貯めましょう!

まずは固定経費の見直しを。その保険、本当に必要?

お金を貯めるためには、固定費の見直しが必須です。その中で、ぜひ一度見直してほしいのが「保険」。

「何かあったときのために、保障は手厚いほうがいい」と思って、いろんな特約をつけていたり、不要な保険にも入っていたりしませんか?

「保険は月々払いなので気づきづらいのですが、長年払い続けるので、かなりの金額になる大きな買い物です。しかも、保険金は病気をしたり働けなくなったりしない限り支払われません。『払った分を取り戻すことは難しい』と思った方がいいでしょう。高額療養費制度や傷病手当、障害年金といった公的な制度もあるので、公的制度だけでは不足する分だけを保険で準備すれば、保険料をずいぶん抑えることができます。基本的に保険は最低限で大丈夫です」(鬼塚)

受け取れるかどうかわからない保険に多額のお金を払うより、その分を貯蓄に回した方が確実、とのこと。

「何にでも使える『現金』が一番強いですから、保険に入っている方は、一度見直しをしてみてください。目安は、夫婦で月々1万5000円程度(死亡保障込み)。それ以上支払っている場合は、本当に必要な保障かよく考えて見直しをオススメします」(鬼塚)

保険を見直して貯蓄にまわすか、浮いたお金でフィットネスにでも通って健康な体づくりをする方が、充実した日々を送れるかもしれませんね。

「節約」ではなく「節税」が肝。iDeCoはやらなきゃ損

老後のためのお金が、公的年金だけでは不安と感じている方も多いはず。なかには、貯金の代わりに「個人年金」に加入している方もいらっしゃるでしょう。

会社員の場合、年末におこなわれる「年末調整」の際に、医療保険や個人年金などに払っている分を申告すれば、所得控除の対象になります。所得控除の対象になれば、その分所得税がおさえられるため、控除を目的に個人年金で老後の資金を貯めている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、鬼塚さんいわく「個人年金よりもずっと多く節税できる老後資金の貯め方がある」のだとか。それは「個人型確定拠出年金」です。

個人型確定拠出年金とは、掛金を自分自身で運用しながら積み立てて、原則60歳以降に受け取る仕組みのこと。iDeCo(イデコ)という愛称で呼ばれています(以下iDeCo)。

iDeCoは、もともと自営業の方と、一部の会社員の方しか利用できなかったのですが、2017年1月からは基本的にすべての人ができるようになりました。

iDeCoは、節税分のメリットが段違い!

このiDeCoを活用した場合、どれぐらい節税できるのかを、鬼塚さんに教えていただきました。

「会社員の場合、会社が企業年金に加入しているかどうかで、掛金の上限が異なりますが、今回は、会社員で一番多く掛けられる方を例に見てみます。会社員の掛金の上限は年間27万6000円で、月々にすると2万3000円です。個人年金とiDeCo、それぞれで月々2万3000円積み立てた場合の節税額を見てみましょう」(鬼塚)

個人年金で節税できる額(例:月2万3000円積立する場合)

課税所得所得税の節税額住民税の節税節税額の合計
195万円以下2,000円2,800円4,800円
195万円超
330万円以下
4,000円2,800円6,800円
330万円超
695万円以下
8,000円2,800円10,800円
695万円超
900万円以下
9,200円2,800円12,000円
900万円超
1800万円以下
13,200円2,800円16,000円

iDeCoで節税できる額(例:月2万3000円積立する場合)

課税所得所得税の節税額住民税の節税節税額の合計
195万円以下13,800円27,600円41,400円
195万円超
330万円以下
27,600円27,600円55,200円
330万円超
695万円以下
55,200円27,600円82,800円
695万円超
900万円以下
63,480円27,600円91,080円
900万円超
1800万円以下
91,080円27,600円118,680円

個人年金の場合、課税所得(税金を引かれた後の所得)が195万円超330万円以下の方は、所得税の節税が4000円、住民税の節約が2800円と1年で計6800円の節税になります。

同額をiDeCoに回した場合、同じく195万円超330万円以下の方の場合、所得税が2万7600円、住民税が2万7600円。1年の節税額は計5万5200円で、個人年金の節税額のなんと約8倍です。

「30歳から60歳まで30年間続けた場合、iDeCoなら節税分だけで165万6000円です。個人年金の節税は30年で20万4000円ですから、その差は一目瞭然。節税のメリットが非常に高いのです」(鬼塚)

元本割れが心配な方は、iDeCoで元本確定型商品をセレクト!

「iDeCoの方が節税のメリットが高いと言っても『運用して、元本割れしてしまったら元も子もないじゃないか』と感じる方もいると思います。でも、iDeCoで運用できる商品の中には、銀行の定期預金や個人年金などの『元本確定型商品』もあるんですよ」(鬼塚)

これらの元本確定型商品は、普通の銀行の定期預金や一般的な個人年金と同じ商品。つまり、個人年金を保険会社から買うのであれば、iDeCoで行う方が断然お得ということです。

「もちろん、投資信託を選んだほうが高いリターンが期待できるのですが、『絶対元本割れはしたくない』という方は元本確定型商品を選ぶと良いでしょう。iDeCoの運用管理機関によって取り扱い商品が違うので、問い合わせてみてください」(鬼塚)

というわけで、「老後の資金はiDeCoで貯める」というのがお得な方法。まだの人は、ぜひはじめてみてください。個人年金にすでに入っている方も、今からiDeCoに乗り換えた方がお得な場合があるそうですから、一度計算してみてはいかがでしょうか。

学資保険で目標額は貯められるか?学資保険のデメリット

お子さんがいらっしゃる方の多くが掛けている学資保険。普通の貯金よりは多少金利が良いので学資保険を選ぶ方が多いと思いますが、「実はデメリットもある」と鬼塚さんは言います。

鬼塚さんが挙げる学資保険のデメリットは、以下の3つです。

1.利率が低いので毎月の負担が大きい。

一般的に、学費は私立大学4年間で400万円必要だと言われています。400万円を18歳までに貯めるとして、400万円÷18年÷12カ月で、月々約1万8500円の積立が必要です。2人いれば当然掛金も倍額に。月々1人1万円ならなんとか出せるかも………というご家庭だと、目標額を貯めることは難しくなります。

2.ライフスタイルの変更に対応させづらい。

学資保険は、中途解約をするとペナルティが引かれてしまったり掛金の変更手続きが面倒だったりします。そのため、例えば「共働きの奥さんが病気で働けなくなった」といった急なライフスタイルの変化に対応しづらい、という点もあります。

3.保険会社は破綻する可能性がある。

以前、バブルが弾けた時には、7社の保険会社が破産しました。保険会社が破綻すると、基本的に、別の保険会社が契約を引き継いてくれます。しかし、引き継ぐときに、保険金が削減されることがあります。なかには、70%以上も削減された事例がありました。しかも、月々の掛金はそれまでと同じ金額を払い続けなければなりません。
減額の金額はケースバイケースですが、400万円貯めるつもりで毎月掛金を払い続けても、120万円程度しか戻ってこなかった、というようなリスクもあるわけです。

学資保険の代わりに鬼塚さんがオススメと語るのが「ジュニアNISA(ジュニアニーサ)」です。

ジュニアNISAを活用して月々の自己負担0円で目標額を達成!?


「NISA(ニーサ)」は2014年から始まった制度で、決められた投資枠の中から得られた譲渡益・分配金・配当金に対してかかる税金が無料になるというものです。

「ジュニアNISA」は、0〜19歳の未成年を対象に年間80万円までの譲渡益・分配金・配当金に対してかかる税金が非課税(無料)になります。普通の口座であれば、約20%の税金が掛かるところを払わなくて済むので、「利益が出た時にメリットが大きい」と鬼塚さんは言います。

投資そのものの仕組みは、説明すると長くなるので割愛しますが、「分散投資をすると、10年で年利で約6%を得ることができる」というのが定説とのこと。「ジュニアNISA」も10年以上運用することで、年に6%の利益が得られるという前提でお話いただきました。

「私がオススメしている方法は、『ジュニアNISA』を運用する際に、月々の積み立てに児童手当てを使うことです。児童手当を全く使わずに全額貯金した場合、受け取れる総額は子ども1人につき198万円。この児童手当を『ジュニアNISA』で毎月積み立てて、18年間年利6%で運用した場合は、約401万円になる計算になります。児童手当をそのまま積み立てに充てるだけですから、自己負担0円。無理なく私立大学分の学費を貯めることができますよ」(鬼塚)

「ジュニアNISA」であれば、「今月はちょっと家計が苦しいからお休みしたいな」という場合にストップしたり減額したりすることもできます。無理なく簡単に貯めることができるのもいいところですね。

目的を見失わないで!「ジュニアNISA」で失敗しないポイント

「ジュニアNISA」を運用するには、「目標金額に達した時点でそれ以上の利益を狙わないこと」が大切なポイントだそうです。

「『ジュニアNISA』は投資なので、18歳を待たずに目標金額を達成する場合があります。そのとき『もっと長く持っていたら、もっと利益が出るかも』と欲が出てくるかもしれません。でも、『ジュニアNISA』の目的は、あくまでも子どもの学費。目標の400万円に達したら、その時点で売却して利益確定をしてください。そうでないと、翌年には減ってしまう可能性も出てくるからです」(鬼塚)

その際、「ジュニアNISA」の口座からお金は引き出さないようにするのもポイントです。

「『ジュニアNISA』は、18歳より前に引き出してしまうと、せっかくの非課税枠なのに課税されてしまいます。なので、利益確定したお金は、そのまま口座に置いておいて、お子さんが大学に入る際に引き出すようにしましょう」(鬼塚)

さいごに

いかがでしたか?あなたの知らない方法はあったでしょうか?お得な制度をしっかり利用して、学費や老後の資金を貯めてくださいね!

取材協力

ファイナンシャルプランナー 鬼塚祐一さん
鬼塚FP事務所代表。
福岡県在住。個人の資産運用についてのコンサルと投資に関するセミナーを各地で開催。対面コンサルは特に人気で、2017年10月に京都で開催した対面コンサルは募集開始から、たった3分で満席に。
「面倒くさい投資はしない」と、素人でも失敗しにくい投資の方法を教えてくれる。
http://fp-onizuka.com/

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