確定申告で扶養控除を受けるには。親族の定義から必要書類まで徹底解説

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確定申告をするときに、扶養すべき子どもなどの親族がいる場合、扶養控除によって所得税ないし住民税の節税を行うことができます。では、そもそも扶養控除とはどんなものなのでしょうか。扶養控除をするための必要書類や、確定申告書への金額などの書き方まであわせて解説します。

どのような場合に扶養控除ができるか

納税義務者に扶養する家族がいるとき、確定申告などをすることによって「扶養控除」が認められます。世話をすべき扶養家族がいる分、経済的な負担が重くなるうえに、社会にも貢献しているといえるため、国がその分課税を軽くするという制度です。

納税者が扶養控除を申請できるのは、以下の条件を全て満たす人を養っている場合となります。

・年間の合計所得金額が38万円以下であること
 所得が給与のみなら、給与収入が103万円以下、年金収入のみならば、65歳未満で108万円以下、65歳以上で158万円以下であることが条件になります。

・納税者との関係が「配偶者以外の親族」 「都道府県知事から養育を委託された児童(里子)」「市町村長から養護を委託された老人」のいずれかであること
 配偶者以外の親族とは、6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。

・確定申告の前年12月31日現在の年齢が16歳以上であること

 就労年齢にない15歳未満の未成年者は、児童手当によって扶養すべきと考えられるため、控除の対象外となります。

・納税者と生計をひとつにしている
 同居していなくても、仕送りなどで生計をひとつにしている場合を含みます。

・青色事業(事業)専従者 ではない。もしくは、青色・白色申告をしている納税者の事業をもっぱら手伝って給与をもらっている15歳以上の家族ではない

扶養控除と間違えやすい控除

配偶者(結婚相手)も親族なのですが、配偶者が納税者の扶養家族(専業主婦・主夫)となっている場合は、扶養控除とは別の「配偶者控除」という控除枠が適用されます。
また、精神や身体に障がいがある親族を扶養している場合は、「障害者控除」という控除枠が適用されるようになります。

扶養控除で、いくら控除できる?


扶養控除の場合、扶養控除の対象となる親族が1人いるごとに「38万円」の控除が認められるのが原則。ただ、複数の人で1人の親族を扶養している場合(例えば、共働き夫婦に16歳以上の子どもがいる場合、兄弟姉妹で一人暮らしの親に仕送りしている場合など)は、誰か1人だけが扶養控除を申告することができます。

また、以下の場合は控除額が異なります。

特別扶養親族

その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の親族であれば、控除は「63万円」に拡大されます。その多くは大学生や専門学校生と考えられ、保護者は学費や仕送りなどの負担が大きくなるため、その分課税を減らす主旨です。

老人扶養親族

その年12月31日現在の年齢が70歳以上の親族を扶養していれば、控除は「48万円」までとなります。

ただ、扶養している70歳以上の親族が、納税者にとっての父母・祖父母などの直系尊属であり、しかも同居していれば、控除は「58万円」に拡大されます。なお、病気の治療のため入院している場合も「同居」に含まれます。

確定申告の方法

確定申告は、毎年2月16日頃から3月15日頃まで(週末と重なった場合は翌週月曜日にずれます)の間に、管轄の税務署に必要事項を記載した確定申告書を直接提出または郵送することによって行います。電子申告(e-Tax)によって、オンラインで申請することもできますが、インターネット環境とマイナンバーカード、そして電子証明書に対応したICカードリーダーが必要です。

確定申告書の書き方

確定申告で扶養控除の適用を申請する場合、確定申告書の1枚目(第一表)の「扶養控除」の欄に、控除が適用される合計額を記入します。扶養控除欄は、簡易的な確定申告書Aならば14番、事業主用の確定申告書Bならば23番にあります。

2枚目(第二表)には、「配偶者(特別)控除・扶養控除」の欄に、扶養親族の氏名・続柄・生年月日・控除額をそれぞれ記載します。また、「住民税に関する事項」の欄では、16歳未満の扶養親族がいる場合に、最初の欄にその氏名・続柄・生年月日などを記載し、別居の扶養親族がいるときは、最後の欄にその氏名と住所を記載します。

マイナンバーの記載も必要となりますので、申請者ご自身に加えて、扶養家族のマイナンバーを確認しておくことも忘れないようにしましょう。

扶養控除を申請するときには、必要事項を確定申告書に記載すればよく、他に添付すべき書類は原則として必要ありません。

扶養親族が海外にいる場合の必要書類

ただし、扶養すべき親族などが海外に住んでいる場合、その親族が確かに存在していて、彼らを扶養する手段としての送金も行われているのかどうか、税務当局がその事実を補足することが難しくなります。そのため、確定申告のときに必要な証明書類を併せて提出する必要があるのです。

<海外在住扶養親族の存在を証明する資料>
・その扶養親族のパスポート(コピーで結構です)
・その扶養親族の氏名や所在地、生年月日を示す戸籍附票、出生証明書、婚姻証明書など(日本政府や都道府県・市町村、外国政府・外国の地方公共団体が発行したものの原本)
・その扶養親族に送金をした事実を示す、金融機関発行の外国送金依頼書の控え
・その扶養家族が納税者名義のクレジットカードで、生活に必要なものを購入している事実を示す利用明細書

まとめ

扶養控除は、自立して生活することが難しい親族や里子、同居の老人などの面倒を見ているために経済的な負担が重くなっている納税者について、租税を軽くする制度です。手続きの仕方や控除額については、この記事を参考にチェックしましょう。留学や国際結婚するケースが増えたこともあり、扶養すべき家族が海外に住んでいる場合は提出すべき資料が多いので、よく確認するようにしましょう。

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